今津景

 

今津景
1980年山口県生まれ。インドネシア在住。

今津は歴史的名画の図録や博物図鑑、またSNS で公開された瑣末な写真など、無数のメディアから採取したインターネット上に散見される画像データをPhotoshop で編集し作成した下図をもとに、キャンバスに油彩で描く手法を用いています。タブロー上の筆先のストロークや擦れなども、あらかじめ編集ソフトに備わっている指先ツールやブラシツールを使用して精密に決定しており、重いデータを処理する際に起こるバグの痕跡や、ソフトウエア特有の表示をもモチーフとして取り込んでいます。
科学技術の発展と人類の認知の変化は、有史以前から芸術表現と密接に関わってきましたが、今津はコンピュータグラフィックスやスマートフォンの使用が日常になった、現代社会を生きる自身の空間認識や物事に対する反応を絵画に落とし込むことで、美術史上に新たな視点を投げかけることを標榜してきました。歪められ緻密に絡み合ったイメージからは、彼女が長い時間をかけ「絵画そのもの」について、思考と格闘を繰り返してきた痕跡がみられます。

2009 年に「VOCA2009」にて佳作賞、また2013 年には絹谷幸二賞奨励賞を受賞。2017 年、ミネアポリス美術館に4m を越える大きな平面作品が収蔵されています。2018 年開催された 「The Armory Show 2018」では、ガブリエル・リッター(ミネアポリス美術館)がキュレーションするセクション「FOCUS」で個展形式の展示を行うなど、国内外で大きな注目を浴びている作家です。

 

コレクション

Minneapolis Institute of Art, アメリカ
カスヤの森現代美術館、神奈川