エレナ・ノックス
1975年オーストラリア生まれ、東京在住。
エレナ・ノックスはデジタル・メディアやパフォーマンス、サウンドアート、音楽、インスタレーションなどの表現形態を横断しながら、技術文明が人類の自己複製への欲望を模していくさまを考察する。
人間が人工物と深い一体感をもちながら暮らす様々な超現代的シナリオを通じて基本的な社会規範を覆す、豊かで歪んだ相互関係に観客を巻き込み、そうした規範のばかばかしさを浮かび上がらせる。そしてそれはまた親密さ、身体性、信仰といったものの意味が揺るがされる境界を明らかにする。
近年の作品では、日本製の最先端ロボットを用い、科学技術的な未来におけるアイデンティティや信念のもつ役割を探るもの、また、夢の中で起こっているかのような、剥き出しのシチュエーションの中で新しいジェンダーやサイバーオーガニックのビジョンを探求している作品がある。
これまでの個展やプロジェクトには、2022年「『それヤレんの?』:フェムボット現象」(人間レストラン、東京)、2021年「Actroid Series II」(TOKAS本郷、東京)、2019年「ヴォルカナ・ブレインストーム」(黄金町バザール、横浜)、2018年「THE FEMALE IS FUTURE」(ギャラリーハシモト、東京)、2015年「BEYOND BEYOND THE VALLEY OF THE DOLLS」(UNSWギャラリー、シドニー)があるほか、グループ展に、2024年ソウル国際ニューメディアフェスティバル、2023年「アルスエレクトロニカ」(オーストリア)、台湾国際ビデオアート展、「未來史詩」錄映太奇(香港)、2022年「ICCアニュアル:生命的なものたち」(NTTインターコミュニケーション・センター、日本)、「越後妻有 大地の芸術祭」(越後妻有、新潟)、「Spectra」(Australian Network for Art & Technology、メルボルン)、2021年「Art Machines 2」(Run Run Shaw Creative Media Centre、香港)、2020年「Bangkok Art Biennale」(タイ)、「ヨコハマトリエンナーレ」(日本)、2019年「未来と芸術」(森美術館、東京)、「AS-Helix: The Integration of Art and Science in the Age of Artificial Intelligence」(中国国家博物館)、「Post-Life: Art and Technology in the Age of Intelligence」(重慶美術館、中国)、「Synthetic Mediart」(台北エキスポパーク、台湾)、2018年「Algorithmic Art」(香港市庁舎、香港)、「北京メディアアートビエンナーレ」(上海明当代美術館、中国)、2017年「A Better Version of You」(アートソンジェセンター、韓国)がある。オーストラリアハウス(新潟)やK11 Art Foundation(中国)でのアーティスト・イン・レジデンスプログラムに参加。
オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ大学にて博士号(メディア・アート)を取得。現在は、東京の早稲田大学で研究員として所属している。そのほかにも、エレクトロニック・ポップ、ノイズ、即興演奏などソロ、共演者と音楽活動を行う。
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