大木裕之
1964年東京生まれ。高知県、東京都、他各地拠点。
東京大学工学部建築学科在学中の80年代前半より映像制作を始め、89年〜北海道松前町を中心にした映像作品群「松前君シリーズ」を開始。90年に「遊泳禁止」がイメージフォーラム・フェスティバル審査員特別賞を、96年に「HEAVEN-6-BOX」が第45回ベルリン国際映画祭ネットパック賞を受賞。その表現活動は映像制作のみに留まらず、ドローイングやペインティング、ライブ上映、インスタレーション、身体パフォーマンスなど、その表現手法は多岐におよぶ。
カメラを手に、世界各地に自らの身体を動かし続けながら、移動と生活と哲学の相関関係を探り、動的ネットワークで複雑に構成される世界を描き出す。膨大なイメージが次々に重ねられていく独特で詩的な映像表現は国内外から高い評価を受け、数多くの国際展、映画祭にも数多く参加している。
主な展覧会に、「時代の体温」世田谷美術館(1999)、「How Latitudes Become Forms : Art in Global Age」(ウォーカーアートセンター、ミネアポリス、米国、2003)、サンドレット・レバウデンゴ芸術財団(トリノ、イタリア、2003)、「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望2004」(森美術館、2004)、「第8回シャルジャ・ビエンナーレ」(シャルジャ、アラブ首長国連邦、2007)、「Out of Ordinary」(ロサンゼルス現代美術館、ロサンゼルス、米国、2007)、「マイクロポップの時代:夏への扉」(水戸芸術館、2007)、「ライフ=ワーク」(広島市現代美術館、2015)、「あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラバンサライ 想像する人間の旅」(愛知、2016)、「歴史する!Doing History!」(福岡市美術館、2016)、「M+ Moving Image Collection」(M+、香港、2021)、「わたしからあなたへ、あなたからわたしへ レター/アート/プロジェクト「とどく」展」東京都渋谷公園通りギャラリー、2022)、αMプロジェクト2022「『判断の尺度』vol. 4 大木裕之|tiger/needle とらさんの墨汁針」(gallery αM、東京、2022年)、「恵比寿映像祭2023 『テクノロジー?』」(東京都写真美術館、2023)、「高知県立美術館開館30周年記念 大木裕之 監督作品上映」(高知県立美術館、2023)、「アブストラクト権化」(ANOMALY、東京、2024)など。
また、2022年に二作品が国立映画アーカイブに収蔵。2023年には、ロンドンのバービカン・センターで《あなたがすきです、だいすきです》(1994)が招待上映され、香港のM+で同館コレクション作品の中から《色目》(1992)が屋外大型ビジョンで上映されるなど、あらゆる芸術ジャンルにおいて世界中で注目を集める稀代な作家である。
パブリックコレクション
愛知芸術文化センター、愛知
M+、香港
高知県立美術館、高知
国立映画アーカイブ、東京
高松市美術館、香川
東京都写真美術館、東京
広島市現代美術館、広島
高橋龍太郎コレクション
宮津大輔コレクション
Exhibition