2020年12月5日 (土) - 2021年1月31日 (日)
開廊時間: 火・水・木・金・土・日 12:00 – 18:00
*休廊:月曜、および2020年12月27日から2021年1月11日まで冬季休廊
*好評につき、会期を延長しました。
*榎忠 個展「RPM-1200」同時開催
*新型コロナウイルス感染拡大防止への配慮から、オープニングパーティは行いません。
*ご来場に際してのお願いが文末にございます。
この度、ANOMALYでは、 2020年12月5日 (土) より、明けて2021年1月31日 (日) まで、岩崎貴宏 (いわさき・たかひろ) 個展「針の穴から天を覗く」を開催いたします。
岩崎貴宏 (1975年広島県生まれ) は、歯ブラシ、タオル、本の栞、ダクトテープなど身の回りの日用品を用いて繊細で儚い風景を作り出し、私たちが日常を送る中で見過ごしている現実を、対象との距離、スケールを変えて可視化することで、固定化された私たちの視点を揺さぶり、意識を変容させます。
2015年には小山市立車屋美術館、黒部市美術館、ニューヨークのアジアソサエエティにて個展を開催、2017年には第 57 回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館代表作家に選出されました。
近年は、「あいちトリエンナーレ2019 情の時代」(伊藤家住宅、2019年)、「日本・キューバ現代美術展 近くへの遠回り」(ウィフレド・ラム現代美術センター 、ハバナ、キューバ、2018年)、「水と土の芸術祭 2018」(万代島多目的広場、新潟、2018年)、「MAMコレクション005 リサイクル&ビルド」(森美術館、東京、2017年)、「奥能登国際芸術祭2017」(三崎地区 森腰の古民家、石川県、2017年)、「PARADOXA-ARTE GIAPPONESE OGGI 」(ウディネ近現代美術館、イタリア、2016年)、「日産アートアワード2015」(BankART Studio NYK、神奈川、2015年)、「INVENTO -The Revolutions That have Invented us-」(OCA Museum、サンパウロ、ブラジル、2015年)、「We can make another future: Japanese art after 1989」(クイーンズランド州立美術館、ブリスベン、オーストラリア、2015年) など、国内外を問わず数多くの展覧会に参加しています。
「針の穴から天を覗く」
渋谷スカイで搬入を終えた早朝、人のいない展望台から遠くにそびえる富士を見た。
地上から見ることなど不可能であるが、都市の高層化によって鳥瞰的視点を獲得し、眼下に企業の看板群、遠方に富士と、
まるで広重が描いた「する賀てふ」の景色を実際の肉眼で見る体験だった。
ふと、新型コロナ対策で大気汚染が改善され、インド北部から数十年ぶりにヒマラヤが眺望できたニュースを思い出した。
この世界における、グローバル化された現実世界と非連続的だった不可視の微生物による平行世界が結合された風景のようだと感じた。
岩崎貴宏
本展のタイトル「針の穴から天を覗く」とは、自分だけの狭い見識で物事を判断しようとすることのたとえです。
地上の小さな存在であるわたしたちが、実際に針の穴から天上の宇宙を見上げている様を想起させるユーモラスな表現ですが、岩崎の作品の特徴のひとつでもあるスケールダウン、鳥のように俯瞰する天上からの視点も、ある風景から世界そのものへと繋がる遠心性を孕んでいます。
本展で発表予定の最新作のひとつ「コンステレーション」は、一見すると無数の星がきらめく星空の光景ですが、品川周辺に実在するコンビニエンスストアやファーストフード店、車のメーカー、大手小売チェーン店などの企業ロゴを実際の位置データのとおりマッピングした夜景図、さらにくしゃみによる飛沫をトレースすることにより出現した星々、と視点とともにスケールが変化していき、可視と不可視の重層世界を表現しています。
現在ニューヨークのグッゲンハイム美術館で開催中の「カントリーサイド、ザ・フューチャー」展で、建築家・思想家のレム・コールハースが、グローバル化に応じて画一化していく都市に反して、ローカルな固有性に即してラディカルで柔軟に変貌を遂げる大都市以外の地域 (カントリーサイド) の現状と可能性を伝えています。
コロナ禍のもとで、巨大な都市化、過剰な密集、大量移動などによる生態系の破壊がスローダウンしたことで、大気汚染が改善されて星空や眺望が蘇り、騒音が減って鳥のさえずりが聞こえるようになるなど、私たちは新しい時間と感覚を経験しました。
岩崎が提示する「変貌する都市および郊外のポートレート」は、いわゆるニュー・ノーマルに向けた人間集団の活動様式と人間環境の変容を可視化し、「私たちはどこから来て、どこへ行くのか」を問いかけます。
岩崎が師と仰ぎ制作のアシスタントも務めたことのある鬼才であり巨匠・榎忠の個展と同時開催となる、岩崎の最新作による久しぶりの個展です。
また、現在、渋谷スクランブルスクエアの展望施設SHIBUYA SKY (渋谷スカイ) の46階にあるSKY GALLERYでも、岩崎の個展「FOCAL DISTANCE | 焦点距離」が開催中です。
ぜひこの機会に両展示あわせてご高覧いただければ幸いです。
ご来廊に際してのお願い
*非接触の体温計にて体温測定させていただくことがございます。
*3密を避けるため、できるだけ少人数でお越しいただきますようお願いいたします。
*マスクの着用と、入場前に手指のアルコール消毒のご協力をお願い申し上げます。
*発熱や咳等の症状があるお客様はご来廊をご遠慮くださいませ。また検温により、入場時に37.5℃以上の場合、ご入場をお断りさせていただきます。
弊ギャラリーの対応について
・スタッフは全員、毎朝体温を測定し、健康状態を確認のうえ出勤しております。
・換気を行ないながら、営業いたします。
・スタッフは手洗いや手指の消毒をし、マスク着用でご対応いたします。
・お客様がお手を触れる場所の消毒を徹底いたします。
展覧会開廊日と時間について
・今後の状況により、営業時間の変更などや、やむを得ず休廊となる場合がございます。
最新情報は随時ウェブサイトにてお知らせいたしますので、ご来場前に、ご確認くださいませ。