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Chim↑Pom from Smappa!Group

個展

穴の中の穴の中の穴

2025年10月11日(土)ー 11月9日(日)


開廊時間:12:00 – 18:00 *ただしArt Week Tokyo期間(11月5日ー9日)は10:00 – 18:00オープン
日月祝休廊 *ただし11月9日(日)は開廊
オープニングレセプション:10月11日 (土) 17:30 – 19:00


同時開催:MEET YOUR ART FESTIVAL 2025
2025年10月10日(金)ー10月13日(月・祝)
*Chim↑Pom from Smappa!Groupは、アートエキシビション「Ahead of the Rediscovery Stream」およびアートフェア「MEET YOUR ARTISTS」に参加します。


制作協力(敬称略):
木部勢至朗(国際宇宙航行アカデミー 正員、元国際宇宙航行連盟副会長)、Tocasi Inc.、長谷川知栄、三島和久

一般社団法人学士会、神田通信機株式会社
会田誠、風間サチコ、松田修、目[mé]、Gelitin、JR、SIDE CORE
三井工務店、BioClub Tokyo、淺海祥平、伊藤優、稲永英俊、小林耕平、小宮りさ麻吏奈、佐藤晃、西村健太、樋口拓人、横田晋平、涌井智仁、渡辺志桜里


 

参考画像

 

ANOMALYでは、2025年10月11日(土)から11月9日(日)まで、Chim↑Pom from Smappa!Groupの個展「穴の中の穴の中の穴」を開催いたします。

Chim↑Pom from Smappa!Groupは、現代社会のリアルに全力で介入し、ユーモラスでありながら切迫感を帯びたプロジェクトを実践、作品を制作・発表している、日本を代表するアーティスト・コレクティヴです。彼らの活動は単なる批判や風刺にとどまらず、社会が周縁化してきた領域に批評的視線を向け、不可視化されたものに焦点を当てます。

本展「穴の中の穴の中の穴」は、都市のインフラに口を開けるマンホールや下水の穴といった多層的な「穴」と、宇宙デブリなどの「屑や瓦礫」を主題にしています。「穴」がしばしば「奈落」のメタファーとして機能してきたこと、また惑星都市理論において都市が送電線やパイプライン(チューブ≒穴)によって結ばれていること、それを宇宙デブリなどの廃棄物と重ね合わせて捉えることは、これまでの彼らの実践の延長線上に位置づけることができます。
それは規模や次元の異なる対象を横断的に取り上げつつ、いずれも「残骸」「欠如」「不可視」といった概念において重なり合うものです。こうした広義の「穴」や「不可視なもの」に着目することは、私たちが切り捨て、忘却し、あるいは直視しないよう努めてきた事物や空間—しかも社会を規定してきたもの—を批評的に再配置する行為であり、環境問題やゴミ問題が深刻な現在、顕にすべきものでもあります。

《Asshole of Tokyo》2018、ビデオ、19min 15sec

 

宇宙デブリは、科学技術の進展が「生産」し続ける廃棄物であり、現代における「ゴミ」の極限的形態です。そこには、バタイユが「非生産的支出(dépense)」として論じたように、人類の活動が不可避的に生み出す余剰や浪費の痕跡が刻まれています。廃棄物は無意味な残滓であると同時に、文化を批評する視座を提供する記号でもあります。デブリは未来世代への暗黙の問いを含んだ「負の遺産」として宇宙空間を漂い続けています。
折しもイーロン・マスクの政治活動が露骨になった現在、実見することが叶わぬ宇宙空間において、それはもはやロマンではなく社会そのものの現象でありながらも、しかし、かつて日本の漫画やアニメで繰り返し描かれた未来の宇宙戦争の破片であるかのような、ファンタジーの予言的顕在化にも思えます。


《奈落》王城ビルの吹き抜け空間、スラブ、ワイヤー、サウンド、ミクストメディア、「ナラッキー」展示風景、東京、2023 撮影:森田兼次

また「穴」は単なる欠損ではなく、新たな意味や秩序を誘発する潜勢力を帯びています。つまり「穴」は、生成の場として捉え直され得ると考えられます。都市インフラの「穴」は、社会を支える見えない身体といえます。日常生活に不可欠でありながら、そこに開いた穴はしばしば忘却され、意識の周縁に追いやられています。こうした不可視の基盤を照らし出す行為は、近代都市が抑圧してきた領域を掘り返すことであり、ベンヤミンが描いた「都市の廃墟的断片」に接続します。都市の穴は、社会が表面化させた秩序の裏側に潜む、忘却の空間です。

こうした多層的な「穴」を扱う実践は、美術史的にも重要な文脈を持ちます。ロバート・スミッソンが「非生産的な地形」として廃墟や採石場を作品に取り込み、アースワークを通じて自然と人工の境界を撹乱したこと、あるいはミニマリズムが「空虚」や「空間の切断」を造形化したことを想起すれば、Chim↑Pom from Smappa!Groupの試みはこれらの系譜を継承しつつ、ゴミやインフラといった同時代的な物質を介して「穴」という問題系を再構築しているといえます。


《ビルバーガー / また明日も観てくれるかな?》2018、ラムダプリント、アルミニウム、H120xW120cm

本展で展示される作品の一つである、新たな《ビルバーガー》の、ビルの構造体・スラブに挟まった廃棄物(逆にいうと都市空間の「穴」に積み重なった廃棄物)は、社会の周縁や日常の隙間で廃棄される「不要物」となった存在を可視化し、繰り返されるスクラップ・アンド・ビルドの象徴です。《ビルバーガー》は、従来の都市的秩序や空間の機能を批評的に再考させるだけでなく、鑑賞者に社会的・環境的な問いを呼び起こす装置としても機能します。穴や宇宙デブリの概念とともに提示されることで、《ビルバーガー》は、微視的な都市空間と巨視的な宇宙空間を横断し、欠如や空白の多層的な意味を可視化するChim↑Pomの、批評的実践といえます。


《垢太郎(Chim↑Pom from Smappa!Group No3)》2024、垢、H11×W8 mm/Cube size: H50xW50xD50mm

さらに、《ビルバーガー》と同様に、日常の細部に潜む微視的な「残骸」や「穴」を象徴化する作品である《垢太郎》の新作も発表します。世界中のアーティストたちから収集された、オーガニックな垢から生成される《垢太郎》は、壮大な宇宙とは逆に、作品世界をミクロの方向に拡張し、鑑賞者に不可視化されてきた物質への批評的視線を呼び起こす装置として機能する点で、《ビルバーガー》やスペースデブリと相補的な位置づけを持ちます。

「穴の中の穴の中の穴」というタイトルは、入れ子状に連鎖する欠如の構造を示すと同時に、社会や宇宙の周縁に押しやられた「不要」と「空白」が多層的に重なり合う現実を映し出しています。それはまた、芸術が現代においていかなる方法で「見えないものを見せる」ことができるのか、という根源的な問いを喚起します。
本展は、Chim↑Pom from Smappa!Groupの実践を通じて、「不要」や「欠如」、「不可視」が孕む想像力のポテンシャルを批評的に提示するものです。

3年ぶりのANOMALYでのChim↑Pom from Smappa!Groupの個展です。同時期に天王洲で開催されるMeet Your Art・アートエキシビションでは小室哲哉氏とのコラボレーションで新作パフォーマンスを発表しますので、万障お繰り合わせの上、ぜひご高覧ください。


Chim↑Pom from Smappa!Group

卯城竜太・林靖高・エリイ・岡田将孝・稲岡求・水野俊紀により、2005年に東京で結成されたアーティストコレクティブChim↑Pom。時代のリアルを追究し、現代社会に全力で介入したクリティカルな作品を次々と発表。世界中の展覧会に参加するだけでなく、独自でもさまざまなプロジェクトを展開する。
広島や福島などの被曝のクロニクルに対し、様々な当事者意識でリアクションをし、メディアを巻き込んだ議論を続発。帰還困難区域内では、封鎖が解除されるまで「観に行くことができない」長期にわたる国際展「Don’t Follow the Wind」の発案と立ち上げを行い、作家としても参加、2015年にオープンし、いまも開催中。
2016ー17年、「境界線」の機能と個の自由や関わりをテーマに、メキシコとアメリカの「壁」にアプローチ、国境沿いに「U.S.A Visitor Center」としてのツリーハウスを建設。移民や国境問題に介入。
また結成当初より、「個と公」を表象した「都市論」をテーマに、さまざまなプロジェクトを公共圏で展開。毒に耐性を持つネズミを捕獲する「スーパーラット」(2006〜)、上空にカラスを集めて誘導する「BLACK OF DEATH」(2008.2013)、メンバーのエリイの結婚式をデモとして路上で行った「LOVE IS OVER」(2014)などの他、自らのアーティストラン・スペースに公共のあり方を実践する「道」自体を敷地内に取り込んだ「Chim↑Pom通り」(2016〜)など、ストリートの可能性を拡張してきた。
2017年、台湾で開催されたアジアン・アート・ビエンナーレでは、公道から美術館内にかけて、200mの道「Chim↑Pom Street」を敷き、公私を超えた独自のレギュレーションを公布、ブロックパーティやデモの場となり、伝説となる。2018 年には、東京オリンピックに伴う再開発の中で、建て壊される直前の歌舞伎町のビルで制作したプロジェクト「にんげんレストラン」を発表。様々な人々と場所性が混じり合うライブなアートイベントとして、社会にスポンティニアスな生き方を提示し、大きな影響を与えた。
ほかにも大量消費・大量廃棄による環境問題や、メンバーの人生自体をテーマにした作品などにも取り組んできた。多くのプロジェクトを一過性のものとして消費せず/させず、書籍の刊行などによって議論の場やアーカイブを独自に創出。膨大なニュースの中で埋もれそうになってしまう事象への警鐘として、プロジェクトをさまざまな形に変容させながら継続している。
また同時代を生きる他のアーティストたちや様々なジャンルの展覧会やイベントの企画など、キュレーションも積極的に行い、アーティストの在り方だけでなく「周縁」の状況を変容、拡大させている。
そのプロジェクトベースの作品は、日本の美術館だけでなくグッゲンハイム美術館、ポンピドゥ・センターなどにコレクションされ、アジアを代表するコレクティブとして時代を切り開く活動を展開中。
2022年4月、Chim↑Pom from Smappa!Groupに改名。

主な個展に、「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」森美術館(2022年、東京)、「May, 2020, Tokyo / A Drunk Pandemic」ANOMALY(2020年、東京)、「Non-Burnnable」ダラスコンテンポラリー(2017年、ダラス)、「Sukurappu ando Birudoプロジェクト 道が拓ける」キタコレビル(2017年、東京)、「また明日もまた観てくれるかな?〜So see you again tomorrow, too?〜」歌舞伎町商店街振興組合ビル(2016年、東京)。
主なグループ展・芸術祭に、「直島新美術館 開館記念展示―原点から未来へ」直島新美術館(2025年、香川)、Alkantara Festival/「Engawa」、Centro de Arte Moderna Gulbenkian(2023年、リスボン)、「GLOBAL(E)RESISTANCE」、ポンポドゥ・センター(2020年、パリ)、「第6回アテネ・ビエンナーレ」TTTビル(2018年、アテネ)、「第6回アジアン・アート・ビエンナーレ」国立台湾美術館(2017年、台中)、「第14回リヨン・ビエンナーレ」La Sucrière & MACLYON(2017年、リヨン)、「Prudential Eye Awards」アートサイエンス・ミュージアム(2015年、シンガポール)など。

Photo: Seiha Yamaguchi

 


その他作家関連展示/イベント情報

さどの島銀河芸術祭2025 秋
2025.9.19 (金) – 11.9 (日)
佐渡島内 両津エリアを中心とした複数箇所、新潟

BENTEN 2 Art Night Kabukicho
2025.11.1 (土) – 11.3 (月・祝)
王城ビルおよび歌舞伎町一円、東京
東洋一の繁華街・歌舞伎町をディープに回遊するオールナイトアートイベント ー BENTEN 2 Art Night Kabukicho ー 開催決定

Art Week Tokyo
2025.11.5 (水) – 11.9 (日)
・AWT VIDEO「儀礼、あるいは祈りの不条理な美」@三井住友銀行東館 1 階アース・ガーデン
・AWT BAR(アーティストカクテル制作)@WALL Aoyama

 


  • 東京都品川区東品川1-33-10
  • Terrada Art Complex 4F
  • 開廊時間
  • 火・水・木・金・土: 12:00 – 18:00
  • 定休日: 日曜・月曜・祝祭日
  • tel & fax 03-6433-2988
  • info@anomalytokyo.com
  • Copyright © ANOMALY, All rights reserved.