2026年1月17日(土) - 2月14日(土)
開廊時間:12:00 – 18:00
日月休廊
*同時開催:大小島真木 個展「渦き Resonant Wounds」
オープニングレセプション:1月17日 (土) 17:00 − 19:00
*作家が在廊致します。
トークイベント:1月17日 (土) 16:00 − 17:00
登壇者:青木野枝、加山智章 (版画工房 エディション・ワークス 代表) *敬称略
協力:版画工房 エディション・ワークス

ANOMALYでは2026年1月17日(土)から2月14日(土)まで、青木野枝の個展「青木野枝 版画展 1997-2026」を開催いたします。
「雲垣」、「亀池・蓮池」、「水冠」、「薬玉」、「寒天」、「白玉」、「玉響」、「水天」、「玉曇」、「黒玉」、「桃符」、「Plasmolysis」、「ひかりのやま」、「Offering / Hyogo」これらは1997年から現在に至るまで版画工房 エデイション・ワークスにおいて制作された青木野枝の版画のシリーズタイトルです。発表の機会は多くありませんがその数は14シリーズ、点数は100を超えています。本展では過去に制作された様々な版種・技法・サイズの各シリーズと初めて試みた石版のリトグラフ「cloud chamber」を最新の彫刻作品とともに展示し、彫刻家・青木野枝の版画世界を体験する貴重な機会となります。

青木の彫刻作品の多くはそのスケールの大きさと展示されるスペースとの関係性ゆえに会期終了後にはパーツへと解体され、写真等による記録と作者と鑑賞者の記憶の中のみに残る存在となります。それに対し青木の版画作品には作家の手の跡が様々な版と技法により紙の上に落とし込まれ、その詩的なタイトルとともに留まっています。その多様な線とかたちは平面の奥に広がる鉄の彫刻の内部へと入り込む繊細な世界、青木の思考の断片を思わせ、作家の彫刻作品に求める「目に見えないが確かに存在する何か」が可視化されているともいえるのではないでしょうか。

30年近くにわたり制作を続けてきた版画について完全に彫刻の続きとして制作していると青木が語るとおり、両者に見られる類似のイメージは作家のその時々の興味を示しており、時には先行して版画作品に現われ、またその逆も見られます。そして版画は絵画とは違い、版、そしてサポートする摺師の存在という、自分以外のものの力が入るという点を自らの彫刻との共通点として挙げています。本展はこれらの言葉とともに最新作から過去の版画作品を振り返り、彫刻と深く関連して存在する青木野枝の様々な版画の魅力を提示するとともに作家にとってのメディアを越えた作品、そして制作について改めて考えを巡らせることができる機会となります。
参考文献:
版画芸術No.187 2020春「彫刻と版画」2020年3月1日 阿部出版株式会社発行
青木野枝(あおき・のえ)
1958年、東京都生まれ。埼玉県在住。武蔵野美術大学大学院修了。80年代より、工業用の鉄板をパーツに溶断し、溶接して組み上げるシンプルな作業を繰り返すことで完成する作品を制作。鉄本来の硬質感や重量感、さらには彫刻という概念からも解放され、空間を劇的に変化させる。子供との鉄のワークショップの開催や各地の芸術祭に積極的に参加、作品を置く場所や人との交流をライフワークの一つとしている。主な展覧会:東京都庭園美術館(2024)、市原湖畔美術館( 2023、個展)、長崎県美術館(2019、個展)、霧島アートの森(2019、個展)、府中市美術館(2019、個展)、豊田市美術館(2012、個展)、目黒区美術館(2000、個展)など多数。主な収蔵先:愛知県美術館、国立国際美術館、東京国立近代美術館、鳥取県立美術館、豊田市美術館、兵庫県立美術館、ポーラ美術館、文化庁。毎日芸術賞、中原悌二郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
<近年の活動>
2024年3月には鳥取県立美術館の開館に合わせ来館者を迎える「しきだい」を設置、11月の東京都庭園美術館では建物のもつ歴史に思いを馳せた展示を行いました。2025年1月阪神・淡路大震災から30年を迎えるのを機に兵庫県立美術館に《Offering / Hyogo》を設置。5月ANOMALYにて個展。夏には被爆80年という節目の長崎県美術館で開催された戦争をテーマとするグループ展において《原形質/長崎》を発表、11月のgallery21yo-jの個展「霧箱 Cloud Chamber」では、福島での取材をもとに制作された作品を発表するなど、80年代から変わらないシンプルな素材と技法で今を生きる作家としての思いの伝わる精力的な活動を続けています。






