榎忠
1944年香川県生まれ。 兵庫県神戸市在住。
美術教育の経験は20歳のデッサン教室のみ。 公募展のあり方に疑問を持ち、 「グループZERO」 を結成。 「裸のハプニング」 などのパフォーマンスを展開。 1977年、頭髪や髭から陰毛まで全ての体毛を半身分だけ剃り落とした 「ハンガリー国へハンガリ(半刈り)で行く」 を発表、奇才として一躍その名を高めた。 1979年、銃口が山口組組長の自宅に向けられている巨大な大砲のオブジェ 「LSDF」 を発表。 個展会場に酒場を設置して自ら女装し酒食を振舞う 「BAR ROSE CHU」 を展開。 こうしたパフォーマンスアートの一方で、金属加工工場での旋盤工勤務を活かして鉄の廃材や機械部品を用いた機械彫刻・オブジェも多数発表。 2000年代以降は阪神大震災の影響から、旋盤で加工した金属廃材を使って未来都市を思わせるオブジェを主に制作している。
主な展覧会に、二人展「ギュウとチュウ 篠原有司男と榎忠」 (豊田市美術館、2007)、「六本木クロッシング2007 日本の新しい脈動」 (森美術館、2007)、「この男、危険。 榎忠展」 (札幌宮の森美術館、2008)、「榎忠展 美術館を野生化する」 (兵庫県立美術館、2011)、「LSDF-014」(山本現代、2014)、「Chu Enoki: Enoki Chu」(White Rainbow、ロンドン、2015)、「鐵と榎忠」(総社アートハウス、岡山、2016)、「釜山ビエンナーレ 2016 Part 1: an/other avant-garde china-japan-korea」(釜山市立美術館、釜山、2016)、「トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために」(国立国際美術館、大阪、2018)、「榎忠x柳幸典 CROSSROAD 3:人間よ戦え 生活の場を確保せよ」(アートベース百島、広島、2018)、「MADE IN KOBE」(ギャラリー島田、兵庫、2018)など多数。
専業美術家ではなく一般の金属加工会社で旋盤工をとして働き、定年まで勤め上げた。 その生き様は、多くの現代美術家に強い影響を与えている。
コレクション
兵庫県立美術館、兵庫
札幌宮の森美術館、北海道
豊田市美術館、愛知
高橋龍太郎コレクション
Exhibition