横山裕一
1967年宮崎県生まれ。神奈川県在住。
武蔵野美術大学油絵科卒業後、ベニヤ板にペンキで風景や人物を描きながら、自身の絵画表現を模索する日々を過ごした後、2000年頃から「時間を描く」ことができる漫画を表現方法とする。「ネオ漫画」 と称される横山の漫画には明確なストーリー展開はなく、性別/年齢/国籍/時代を超越した登場人物の、最小限に抑制された意味不明な会話や、非友好的かつ目的不明な行為、謎の物体が移動や変形する様子などの描写は、巧みなコマのサイズと密度により連続展開することで、過去のような、未来のような、見たことのない世界を、純粋な時間の流れとともに表出させる。同時にそれは、人間とは異なる時空を生きる人間以外の生物の俯瞰的視点で、この世界を観察、記録しているかのようだ。
主な著作に『ネオ万葉』、『PLAZA』、『燃える音』、『ルーム』、『ICELAND』、『世界地図の間(ま)』、『ベビーブーム』、『アウトドアー』、『NIWA』、『トラベル』などがあり、その多くは、フランス、アメリカ、イタリア、スペイン、ロシア等で翻訳出版されている。そのほか、『横山裕一カラー画集』や、高濃度蛍光色をふんだんに用い、横山の鮮やかな色彩の原画を再現した『BABY BOOM FINAL』など、質の高い作品集も出版されている。
主な個展に、「横山裕一 ネオ漫画の全記録:わたしは時間を描いている」(川崎市市民ミュージアム、神奈川、2010年)、「YÛICHI YOKOYAMA: WANDERING THROUGH MAPS, UN VOYAGE À TRAVERS LES CARTES」(Pavillion Blanc、コロミエ、フランス、2014年) 、「これがそれだがふれてみよ」(兵庫県立美術館、兵庫、2014年)、「横山裕一 × シュルレアリスム」(宮崎県立美術館、宮崎2014年)、「アースデイ」(ANOMALY、東京、2024年)、「Yuichi Yokoyama 1994-2024」(Gallery Vacancy、上海、2024年)など。また、「六本木クロッシング2007:未来への脈動」(森美術館)、「あいちトリエンナーレ2013」、「世界が妙だ! 立石大河亞+横山裕一の漫画と絵画」(広島市現代美術館、2016年)、「ロジカル・エモーションー日本現代美術展」(ハウス・コンストルクティヴ美術館、チューリッヒ/クラクフ現代美術館、ポーランド/ザクセンアンハルト州立美術館、ドイツ)、「CHILDHOOD: Another Banana Day For The Dream-Fish」(パレ・ド・トーキョー、パリ、フランス、2018年) など数多くの国際展やグループ展に参加。
2013年には、エルメス伊勢丹新宿店がリニューアルオープンする際のウィンドウディスプレイを担当。2021年には、常磐橋タワーに8mにおよぶ絵画作品が恒久設置された。
パブリックコレクション
川崎市市民ミュージアム、神奈川
熊本市現代美術館、熊本
東京国立近代美術館、東京
兵庫県立美術館、兵庫
森美術館、東京
龍美術館、上海
三菱地所株式会社、東京
Exhibition