2019年6月8日(土) - 7月6日(土)
オープニングレセプション: 2019年6月8日(土) 18:00 – 20:00
Gallery hours: 11:00-18:00, 11:00-20:00 (金)
定休日: 日曜・月曜・祝祭日
無題(頭部 #63)
2019、楠、アクリル塗料、ウレタン塗料、スチール缶、新聞紙、合板
H38×W22×D21.5cm
© Yosuke Takayama
ANOMALYでは、6月8日(土)から7月6日(土)まで髙山陽介個展「ひろば」を開催いたします。
髙山陽介(たかやま・ようすけ b.1980)は、2007年多摩美術大学大学院美術研究科彫刻専攻修士課程終了。在学中より木を主な素材として作品を制作。主な個展にUnknown Sculpture Series「朝のうた」(20017年、gallery21yo-j、東京)、「中庭」(2016年、CAPSULE、東京)、「髙山陽介Under35」(2015年、BankART、神奈川)。また「高柳恵理x髙山陽介x千葉正也」展(2017年、多摩美術大学アートテーク・ギャラリー)、アキバタマビ21特別企画展「捨象考」(2015年、アキバタマビ21、東京)、「コレクション+ 行為と痕跡」(2016年、アーツ前橋、群馬)、「彫刻の超克―解体と習合」(2015年、多摩美術大学)など彫刻をテーマとした様々な企画展に参加。近年では、2015年の府中市美術館(東京)での公開制作、2019年アーティスト・イン・レジデンス須崎(高知)での滞在制作など活動の幅を広げています。
髙山は、伝統的な木の塊から彫り出す木造彫刻をベースに、薄い版木を彫る事で生まれる版画や平面性の強いレリーフ作品の制作、台座の在り方を熟考した提示方法など、現代における「彫刻」の概念そのものを追及しています。その作品の多くは日常の描写や人物を題材とし、特に頭部を模した首像のシリーズは60点にも及びます。ディスプレイに瞬時に現れ消える情報や、刺激的なイメージに慣れた我々をも強く惹きつけてやまない髙山の生み出すカラフルで奇異な形状の物体のなかには、木片に向かい、切り取り、削り、磨き、傷つけ、執拗に塗料を重ね、滴らせるという作家の地道な行為と、仏像彫刻をはじめとした彫刻を考察し続けた姿があります。3Dプリンターが飛躍的な立体的造形を可能とした今、対極にあるともいえる髙山の木彫作品には素材と対峙する髙山の精神性がうかがえ、さまざまな記憶や積層する時間が現れています。本展では、髙山が主題としてきた「見ることと認識することの間」から生まれた、頭部の木彫、レリーフ、自身の姿をモチーフとした木版画や、コラージュなど様々なメディアの新作を、高山にとって身近な日常である人々の遊び集う、「ひろば」として展開します。彫刻についての再考や再定義が問われる昨今、<彫刻というもの>に真摯に対峙している髙山陽介の作品をぜひご高覧ください。
*同時開催・坂本夏子個展
爽やかな春の風に背中をそっと撫でられ、振り向くと、マットを敷いておしゃべりしたり、寝転んだり、縄跳びしたり、雨に打たれてずぶ濡れだったり、犬に引かれて歩いていたり、キスをしたり、外国から来ていたり、空の向こうから通っていたり、家が無かったり、鳥や猫だったり。
様々な存在が楽しそうに過ごせる広場の景色が広がっていました。
いつかどこかで見たような、再会のような予感のような出会いでした。
大学を卒業して13年くらいたち、なんとか彫刻を続けていますが、やっとその日、10秒くらいのなんとも言えない前向きな感覚を味わえました。(たぶんはじめて)
隣ではゴミを咥えたモグラが穴掘り作業を終え、顔を出していました。私は自分の仕事に戻りました。
繰り返し続けていく中で、暗く塞ぎ込みがちですが、少しずつこういった時間が増えたら嬉しいです。
髙山陽介