Art Collaboration Kyoto 2023

Art Collaboration Kyoto 2023


ギャラリーコラボレーション

ANOMALY(東京)、Fitzpatrick Gallery(パリ)、ROH(ジャカルタ)
ブース: C03

ANOMALY(東京)、Fitzpatrick Gallery(パリ)、ROH(ジャカルタ)は、青木野枝、淺井裕介、玉山拓郎、ルイス・アイズナー、ハンナ・ワインバーガー、クーパー・ジャコビー、シャイフル・アウリア・ガリバルディ、マルト、デュサディー・ハントラクルによる作品を展示いたします。

それぞれの生活環境や制作環境に特有の有機体を感じさせる彼らの作品を通して、個と共同体の境界における感覚あるいは親和性に焦点をあてます。
鉄のもつ重さや硬さといった感覚を超えた実験的な表現をおこなう青木の彫刻作品や、作品世界へ観る者を誘うガリバルディやマルトの作品は、それらが生まれ、展示空間へと至る背景や、そこでのあり方を問います。環境への考察は、成長するもの、触れられるもの、それらを阻害するものへと意識を促します。生存と破壊の絶え間ない連続のように、ジャコビーの作品は、観る者と反発しあう関係をもつ構造体といえます。これらの作品を通して、観る者は自らの存在のありように意識が向き、関係性や構造がまるで糸のように軽く壊れやすいことに気づかされます。ワインバーガーのサウンドインスタレーションや、猟師から譲り受けた鹿の血で描かれた淺井の絵画は、観る者も取り込んだミクロの有機体を構成します。身近な現象やファウンド・オブジェクトを用い非現実的な空間を表現する玉山のビデオ作品は、人物や風景を叙事詩のように描くことで自らの記憶と幻想の境界を拡張するアイズナーのペインティングとそう遠くない関係にあると言えるでしょう。
人間(そして人間以外のもの)との時間を超えたつながりを表現するハントラクルの作品は、考古学的とも言える私たちのものの見方や作り方、ものとの関係を感じさせます。


ANOMALY Artist:青木野枝

《空の水/2008ⅩⅢ-1,2,3》 2008

右:H177.73xΦ71cm/中央:H195.90×φ84cm/左:H186.49×φ46.3cm

水は形を持たない。
液体から固体になったり、気体になったりして、私の周りにいつも存在する。
ある一瞬の水の形をつくるとしたら。
落ちてきてまた上昇する、自分の側にある柔らかな水の形。

——青木野枝

80年代の活動当初から地球に水よりも多く存在し、古来より人類の近くに在った鉄という素材に魅了され、工業用の鉄板をパーツに溶断し、溶接して組み上げるシンプルな作業をひたすら繰り返すことで完成する作品を制作してきました。青木の手が関わることでそれらは素材本来の硬質感や重量感、さらには彫刻=塊という概念からも解放され、作品の置かれた空間を劇的に変化させます。


ANOMALY Artist:淺井裕介

《命に満ちている》 2022
キャンバスに鹿の血(牡鹿半島)、墨
H129.5xW97cm

尽きることなく生み出される、植物、動物、人間、また動植物と人間のハイブリッドを思わせる神話的なイメージなどの根源的な淺井のモチーフは、画面に隙間なく併置され、大きな生き物の中に入れ子状に小さな動植物が現れるなど、生態系の構造を表すかのように、実物の世界をしのぐほどの細密さ、複雑さをもって描かれます。
淺井作品の特徴とも言えるのが、その素材です。2008年に参加したインドネシアでのグループ展では、初めて現地の土と水を用いて壁画を描きました。特別な画材に頼らず、誰しもの足元にあり、身近にあるがゆえに見過ごされがちな土を、色や粒径、粘度など、気候や地形によって異なる特性を生かしたまま画材として作品に取り込み、独自のスタイルを確立しています。また、2019年のReborn-Art Festivalで出会った牡鹿半島の食猟師・小野寺氏の猟に同行したことをきっかけに、採取した野生の鹿の血液を素材としてペインティングを描きました。
淺井の絵画は、わたしたちの日常に豊かでオルタナティブな視点と新しい発見をもたらしてくれます。何者にも抑制されることのない、原初的ともいえる淺井の表現は、わたしたちの意識や感覚を拡張し、刺激し続けるでしょう。


ANOMALY Artist:玉山拓郎

《The Sun, Folded.》 2019
ビデオ(シングルチャンネル)、21’2”, in loop
Edition of 5

玉山は、身近にあるイメージを参照し生み出された家具や日用品を思わせるオブジェクトや、映像の色調、モノの律動、鮮やかな照明や音響を組み合わせた緻密なコンポジションで、空間全体を変容させる作品を多く発表しています。
《The Sun, Folded.》は、壁を端から端まで跨ぐ家具のようなモノや壁紙、ミラー、ハーフミラー、ビデオ、天井から吊るされた照明のような球体など、さまざまなものにより構成されたヴィデオ作品です。無限に広がる映像世界は、現実空間を織り交ぜながら非現実的な領域へと繋がっていきます。

なお、玉山はACK特別ログラム「Ladder Project powered by Daimaru Matsuzakaya」にも参加、新作を展示しております。
プロジェクトの詳細や玉山のインタビューはこちらをご覧ください。


なおFitzpatrick Galleryのアーティスト情報はこちら、ROHのアーティスト情報はこちらからご覧いただけます。

また、ACKのPublic Program 「BEYOND GLITCH 壊れた世界で現実を捉え直す」に、潘逸舟(ANOMALY)、シャイフル・アウリア・ガリバルディ(ROH)が参加しています。こちらもあわせてご高覧ください。